こんにちは。
本日は研究やデータ解析の背景(目的)の建て方について記事にします。
研究発表やデータ分析のプレゼンを聞いていて、
[なんかすごいことしてそうだけど、意味がよくわからない…]
と思った経験は皆さんにもあると思います。
そのような事態になる原因として「背景」の部分の設定が不十分なことが多いです。
✅疑問
・そもそも背景とは何ですか…?
・研究(分析)背景を論理的に説明するにはどうすればいい?
・プレゼン内容を聴衆に理解させることが難しく感じる
このような疑問に答えていきます。
僕は医療職で働きながら大学院に通って4年目です。
理学療法士という仕事で7年目、それぞれの患者さんに対する治療方針を論理的に決めていくことが求められます。
大学院ではSPSS、Rを用いてデータ解析や論文発表と学会発表を出来ています。
たくさんの研究発表を聴講してきましたのでわかりやすい研究背景or分析背景の作り方についてまとめていきます。
✅このような方におススメ
✓ プレゼンテーションのコツをつかみたい
✓ 論理的なプレゼンテーションをしたい
では始めていきます。
よいプレゼンテーションには背景の説明が必要な理由
まず背景とはその研究や分析の目的のことをいいます。
研究背景や分析の背景と呼び、
簡単に言うと
・何のためにその研究(分析)を行ったのか
です。
背景の設定があいまいな発表では
・発表者→一生懸命に発表
・聴衆→「何の発表かな?」
「この調査or研究の目的がよくわからない」
となってしまいます。
背景の設定を誤ることによるデメリットは大きく、
✓プレゼンしても理解されない
✓分析結果が実際の現場に応用されにくい ことになってしまいます。
一方で背景をしっかり伝えられた発表では
・発表者→一生懸命に発表
・聴衆→「なるほど」
「現場で活かしてみよう」
となりますし、あとで質問もされやすくなります。
また、分析したデータをもとに実務に応用しやすかったり、更に応用的な研究に取り組むことが出来るかもしれません。
背景の設定方法【テンプレ化して考えよう】
背景の設定方法は以下の2ステップです。
この3ステップを抑えて表現するだけで聴衆がわかりやすい発表ができるはずです。
✅背景を設定する3ステップ
・Step① あなたの研究テーマ(仕事)の中で未解決の問題を挙げる(問題提起)
・Step② これまでに十分取り組まれたテーマではないか(新規性)
・Step③ その問題に取り組むことで誰にどんなメリットがあるのか(有用性)
それぞれ説明していきますね。
Step1 あなたの研究テーマ(仕事)の中で未解決の問題を挙げる(問題提起)
問題提起の段階です。
まずあなたの専門領域や職場での未解決の問題を考えてみます。
現在の時点で分かっていない点についていくつか挙げてみましょう。
あなたの専門領域や職場で未解決の問題点を探します。
Step2 これまでに十分取り組まれたテーマではないか(新規性)
次にあなたが取り上げたテーマについて新規性があるか考えましょう。
研究発表ならば先行研究を調べましょう。
先行研究の探し方はこちらの記事を参考にして下さい。
英語論文の読み方・探し方 【DeepL、Pubmedを活用しましょう】
職場であれば過去の資料を見たり、先輩等に確認しましょう。
新規性が弱いと誰かの発表と被った内容になってしまいます。
Step3 その問題に取り組むことで誰にどんなメリットがあるのか(有用性)
最後に有用性を考えます。
あなたの立てた問題点を検討することで「誰に、どんなメリット」があるのでしょうか。
どうせ分析するならだれかのためになる内容を分析しないといけませんよね。
悪い例
たまにあるのが「新しいツールがあるから使ってみた」というような分析発表です。
これは研究目的が新しいツールを使うことになっていて、現場への応用という視点が不足しています。
新しい道具で細かな数値が出てきているものの、出てきた数値に意味が感じられないパターンです。
3つのステップを踏まえた背景の例
試しにいくつかの背景を立ててみます。
例えば、企業で分析発表をする
Step① あなたの研究テーマ(仕事)の中で未解決の問題を挙げる(問題提起)
→ 部署内でコストを圧迫している要素は何か?
Step② これまでに十分取り組まれたテーマではないか(新規性)
→ 皆、業務に忙殺され誰もコストの分析を行ってこなかった
Step③ その問題に取り組むことで誰にどんなメリットがあるのか(有用性)
→ (誰に) 会社に
(どんな)コスト削減施策につなげることができる
↑このように分析内容の有益さをアピールします。
もうひとつ例を挙げます。
例えば、医療関係の研究では
Step① あなたの研究テーマ(仕事)の中で未解決の問題を挙げる(問題提起)
→ 患者さんの平均待ち時間が最も多い曜日、時間帯はどこか
Step② これまでに十分取り組まれたテーマではないか(新規性)
→ これまでに誰も検討せず雰囲気で仕事していた
Step③ その問題に取り組むことで誰にどんなメリットがあるのか(有用性)
→ (誰に)患者さんに。職員に。
(どんな) 混む曜日や時間帯に人員を集中させるなど、患者さんや職員に負担のないよう工夫できる。結果、多くの患者さんを診察でき、利益が上がる。
↑こんな感じです。
最後に
研究や分析では、背景の立案は最も基本になる部分です。基本がしっかりしていないと後の解析も意味がなくなってしまいます。
背景の設定に迷ったら是非この3ステップを意識してみましょう。
本日は以上となります。
これからも有益な記事を書いていきます。よろしくお願いします。