こんにちは、
卒業研究テーマや大学院での研究テーマを決めるときに「ネタがない!」と悩むことはありますよね。本記事ではどのように研究テーマのネタを捻出するかについて書いていきます。
✅疑問
・研究テーマが決まらない
・研究テーマを捻出する思考法があればいいのに
このような疑問に答えていきます。
僕は医療系の仕事をしながら大学院に通って4年目です。SPSSやRを使ってデータ解析、学会発表や論文投稿も行っています。研究計画の立案については僕も苦労しましたが、最近はいろいろな計画を出せています。
本日は僕が普段思考している流れをまとめたものを紹介したいと思います。
では始めていきます。
✅このような方にオススメ
・ これから研究論文を書き始める大学院生、大学生
・ データ解析を行うことになったがどのように結果を解釈するかわからない
研究テーマが決まらない!【テンプレート化して考えよう】
「これから大学院や卒業研究で研究を始める」、「企業でデータ解析の仕事をすることになった」
いきなりこのような状態になると最初は戸惑いますよね。
まず、「何をテーマにすればいいのかわからない」という問題を克服しないといけません。これが最初の難関ですね。早く済ませてしまいたい問題なのですが、研究(解析)のおおもとになるので非常に重要なんです。
結論から言うと「楽にテーマを見つける方法」というものはありません。粘り強く思考を続ける習慣がどうしても必要にはなってきます。ただ、ここでは僕自身でテーマを捻出してきた思考法の流れを紹介します。
STEP1 まず取り組む問題を明確にしましょう
では始めていきます
あなたに2つの質問があります。この2つの質問には確実に答えられると思います。
2つの質問に答えて下さい
①「あなたの専門分野(または業界の分野)は何ですか?」
②「その分野(業界)で上手くいってないことや不便なこと、わかっていないことを挙げて下さい」
例えば、僕の仕事である理学療法士の業界でいうと、
①の答え→理学療法、リハビリテーション
②の答え→90歳以上の高齢者へ運動させることによる効果はあるのか?
のような感じですね。「リハビリテーション=必要」みたいな盲目的な図式はありますが「なぜ必要なのか?」に関しては明快な答えがなかったりします。
卒論生の場合の例
①の答え→あなたの属しているゼミの研究テーマ(例えば経済とかにしときましょう)
②の答え→なぜ保育士や介護士の給料が上がらないのか(社会での経済的な問題)
とか
企業でデータ解析担当の方の場合
①の答え→あなたの会社の業界
②の答え→直近3年間の業績にはどんな要因が関わっているのか?
とかですね。
このような順序で考えていくとあなたの専門分野や業界での問題抽出までは行えそうですよね。
問題点を発掘するまではできた!【その問題は取り組むに値しますか】
ここまで来たら「よし早速実験計画を立てよう!」と考えてしまいますよね。僕もよくそうなります。、でもここでもう少し待ってみましょう。また1つ質問です。
Step2 取り組むに値する問題ですか?
「あなたの出した問題に取り組むことのメリットを教えてください。」
と他の人から聞かれることはよくあります。この質問は本質的なものだと思いますし、実験計画を建てる前に考えておくべきです。
他の言葉にいいかえると
大切なのは、、
「実験(解析)前に研究(または解析)の意義を考える」ということです。
どのようなものに意義があり、どのようなものには意義がないのでしょうか?
簡単な考え方を紹介しますね。
意義のある研究(解析)
✓ 実際の現場に役立つものですか?
✓ その研究によって「誰」(例:顧客or従業員など)にメリットがありますか?
(現時点ではなくても将来的に)
一方の意義のない研究は上記にあてはまらないもの全てになります。
このSTEP2があいまいだと論文が評価されにくくなったり、現場で使えない解析結果を出すことにつながってしまいます。必ず事前に考えて計画を建てるようにしましょう。
Step3 これまでに十分に検討されたものはないですか?
次にあなたの研究テーマがこれまでの先行研究で十分に検討されたものではないか、先行研究を読んで確かめて下さい。
まったく同じことを検討するのではなく、多少似ていても解析の視点を変えたりする必要があると思います。
論文の探し方は以前の記事を見てみてください。
英語論文の読み方・探し方 【DeepL、Pubmedを活用しましょう】
Step4 実現可能な研究計画を建てる
ここまで来たら研究ネタ作りは終わりに近づいてきています。
あとはあなたの研究計画を確かめる方法を検討します。
①データをどのように取得するか
あなたの会社や大学での実験データなど自身で保有しているデータを使うのが一番無難でしょう。他の施設のデータを使用したい場合などは当然手続き等が追加で必要になります。
「多くの施設や会社のデータを使いたい」ような研究計画はいきなりは困難ですので、まず小さく研究を始めていくことをお勧めします。
②解析方法はどうするか
あなたの行いたい方法に合った統計学の方法を選択しましょう。
例:
✓ 2つのグループを比較する→ t検定
✓ 2つのものの関連を見る→ 相関解析、回帰分析
✓ 多くの要素から結果へ影響する因子を見つける→ 重回帰分析、ロジ スティック回帰分析
となります。
Step5 思考法のまとめ
ここまでの方法をまとめると以下のようになります。
Step1:
①あなたの専門分野(業界)は何ですか?
②その分野で抱えている問題点を挙げて下さい
Step2
その問題は取り組むに値する問題ですか?
Step3
その問題は既に十分に検討されたものではないですか?
Step 4
実現可能な研究計画ですか?
①データをどう集めるか?
②解析方法はどうするか?
以上のStepに全て答えられた研究計画はよく練られた研究計画だと思います。
大学院生や卒論を書く大学生、企業でデータ解析を行う方に少しでも役立てば幸いです。
これからも有益な記事を書いていきます。
よろしくお願いします。