いま論文を書いているのだけど、考察ってどう書いたらいいの?
考察を書くテンプレートとかないのかな。。。
結局論文に手を付けるのが嫌になってきて放置ぎみになっちゃうんです。。
このような疑問に答えます。
論文は「背景、方法、結果、考察」の流れで書いていく必要があるのですが
特に背景部分と考察部分はどう書いていけばいいのか迷いますよね。
本やネットを見て調べてみてもこの部分をわかりやすく説明してくれるものは見当たらないので、やっぱり難しい部分なんだなと思います。
本日は考察部分の書き方について、テンプレートを作ってみました。テンプレートを見ながら書けば論理的な考察を書けるようになります。
でははじめていきますね。
論文で考察を書くのが難しい理由
「結果まで書いて手が止まってしまう…」、「書くのが面倒になってきてしまう」
こういうことありますよね。
論文の考察部分は他のパートに比べて書く手順が決まっていないので、道に迷いやすいんですね。考察が書きにくいと感じるのは以下の理由が考えられます。
・明確な書き方の手順が存在しない
・先行研究も書き方がバラバラ
・自分の考えを書けといわれても、ただの感想になってしまいがち
結論、書くマニュアルが存在すればこれらの問題は解決できるはずです。
そこで今回は論文の考察を書くマニュアル(テンプレート)を作成してみます。
考察の書き方テンプレート
考察を書くテンプレートは以下です。これだけで論理的な流れに沿った考察が書けます。
1,結果のまとめを書く
2,これまでの知見と比較する
(先行研究との比較)
3,(2を踏まえて)背景で建てた問いに答える
(「つまり、、である」とつなげ、何が言いたいのかはっきりする)
考察を書く目的(何を書くか)
確認ですが、考察を書く目的は何でしょうか?
背景で上げた問題提起(疑問)に答える
ことですね。
背景では何か疑問に思うことがあるから→研究した(調べてみた)という流れになってるはずです。
考察では背景での疑問に対する答えを書きます。
結果のまとめを書く
まずは研究で得られた結果のまとめを書いてみましょう。
重要な結果だけを書く
研究結果のうち、重要なものを選び、まとめます。
ここで全ての結果を詳細に書く方がいますが、重要な結果だけ記載するようにしましょう。「重要な結果」とはこの後の考察で議題になる結果です。
考察で使わない結果は書かないようにしましょう。
例:本研究では〇〇と△△について有意な差を認めた。また…の結果では■と〇に有意差は認めず、有意な相関のみ認められた。
このような書き方で大丈夫と思います。
これまでわかっている知見と比較する
結果のまとめが出来たら、その結果に「意味付け」をしていきましょう。
意味付けをするために、先行研究と比較を行います。
先行研究と一致した部分、そうでない部分をまとめましょう
・先行研究と合致する点はどこか?(先行研究では〇〇と述べられており、本研究結果と一致した)
・先行研究と合致しない点はどこか?(先行研究では■■と述べられ、本研究結果とは異なった)
を探し、それぞれについてその理由を深堀りします。
例:本研究と先行研究では○○の点で異なっていた可能性がある
本研究と先行研究では△△の点は共通していたため結果が同一になったと考える。
背景で建てた問いに答える
ここからが大事ですが、
先行研究との比較をしたら、一度仮説(背景で立てた問い)への答えを書くようにしましょう。
これを忘れてしまうと、考察がかなりわかりにくく、読まれないものになってしまいます。。
これまで書いてきたことをうけて、
本研究と先行研究Aは○○の点で異なった。これは△△が関わっていた可能性がある。
「従って◎◎である」
と背景で建てた問いの答えをここに書きます。
考察の全体的なテンプレート
<研究目的の確認>
本研究は~~を目的として実施した。
<結果のまとめ>
本研究では〇〇と△△について有意な差を認めた。また…の結果では■と〇に有意差は認めず、有意な相関のみ認められた。
<既存の知見と比較>
先行研究では〇〇と述べられており、本研究結果と一致した。原因は…と推測される。
先行研究では■■と述べられ、本研究結果とは異なった。原因は…と推測される。
<先行研究でたてた問いへの答え>
従って (背景でたてた問い) については〇〇ということが考えられた。
こんな感じです。これでほぼ完成です。
最後に…
最後に、「あなたの研究は誰の、何にとって役立つ可能性があるか」を書きます。
これを書かないと、読者は「…それで??」とあなたの論文を評価してしまう可能性もあるからです。
あなたの論文が何に役立つ可能性があるのかについて明確に書いておきましょう。
<例>
本研究により、□□の面で実臨床に寄与することができる。
このような感じです。考察の最初でも最後でも良いので必ず書くようにしましょう。これが上手く書けないということは研究の社会への応用(何に役立つ研究なのか)が考えられていないんだと思います。(僕もよくこの指摘を受けます。)
以上、本日は研究論文の考察の書き方についてテンプレートを紹介しました。
この記事が皆さんの論文作成の助けになればうれしいです。
なお、本記事の作成にはこちらの本を参考にしました。
論文の書き方をきちんと教えてほしい方へ
こちらのココならというサービスでは個人が個人に指導するシステムになっています。
論文の書き方についても指導してくれる人がけっこういるので、こういうサービスを使ってみるのも
良いと思います。
これからも有益な記事を書いていきたいと思います。