こんにちは。
今回は論文や研究報告の書き方について記事にしていきます。
こういった疑問に答えます。
論文を書かなくてはいけないんだけど、何から手をつければいいか…(途方に暮れる)
テンプレートがあればいいのに…
・大学院5年目
・学会発表5回、論文も数本投稿できています
・研究を行ってみて、職業選択の幅が広がった実感があります
こういった僕が疑問に答えます。
■1 論文テンプレートを公開します
論文を書いていく上でまず大事な柱です。研究論文を書き方の柱は以下の4つです。
論文の柱 4つ
①取り組む意義は(背景)
②どうやって調べたか(方法)
③結果の呈示
④結果の考察(考察)
①取り組む意義は(背景)
論文を書き始める上で、まずは研究のテーマを決める、「何をするか」決める段階から説明します。
結論からいうと、「あなたがやりたい研究」よりは、「社会に役立つ研究」を心がけた方が良いと思います。
つまり、あなたがその研究課題を調べることによって、世の中の問題に対する解決案ができる(またはその助けになる)ようなテーマを設定しましょう。
具体例を出しましょう
「世の中の問題」「何を調べる」「意義」にわけてテーマを立ててみましょう。
まず「世の中の問題」として、
「ゴミのポイ捨てが多く、処理に費用が多額かかっている」という問題を立てるとしましょう。
「何を調べる」については
「ポイ捨てをされやすい製品の特徴を分析する」
としましょう。次にそれを調べることに「意義」があるのかについてですね。
「どのような製品がポイ捨てしやすいのか特徴を出すことで、製品開発の段階でポイ捨てされる特徴をなくすようにする」。
という流れです。
よくあるのが、最後の「意義」の部分が十分に考えられていない研究で、「とりあえずやってみた研究」というように呼ばれます。簡単に言うと、「何でこのテーマを調べたの?」という疑問を持たれるような研究です。
結論、「あなたが取り組むことによって社会問題が少しでも解決に向かうようなことをテーマにする」ことが重要です。
②どうやって調べた(方法)
テーマが決まったら、次にそのテーマを調べる手法を立てましょう。
まず似たような先行文献があるはずなので、いくつか当たってみます。「先行文献」の「方法」を参考にしてあなたのテーマを調べる上で使えそうな情報をなるべく探しましょう。
ちなみに、テーマを調べる方法はオリジナルで考えるよりは、「なるべく先行文献から探した方がいいです」。先行文献で取られた方法は一定の信頼性が担保されているはずだからです。
もし、1から調査手順を考える場合は、なるべく信頼性が担保できる方法を採用しましょう。
結論、先行文献をなるべくたくさん調べて、既に用いられている方法を取れると一番かと思います。
③結果の呈示
研究の結果をまとめ、統計処理をかけた結果を呈示します。
これは自分もそうなのですが、結果を呈示する上でのポイントは「感情を除外して書くこと」ですね。仮説に反するような都合の悪いデータも「淡々と」記載するようにしてください。
あと、使った統計手法によってそれぞれ記載方法が決まっています。それこそ同じ統計手法を取っている先行文献を参考に、そのまま形を借りて書いてOKです。
④結果の考察
研究の結果が出たら、最後に出てきたテーマに対する考察を書きます。考察は特に自由度が高いためか、書くのに苦労している人が多いです。
巷に売っている「論文の書き方」本も何冊か購入しましたが、情報が多く、短時間では読めません。
そこで今回は考察を書く5つのポイントに分けました。この5つのポイントに沿って書くことで標準的な考察は書けるはずです。また、このように構造化して書かれていた方が読み手にとっても楽なはずです。
①「結果のまとめ」
②「先行文献と一致したところ」
③「先行文献と異なる結果のところ」
④「あなたの研究の新しさをアピールする=先行文献では調べられていないところ」
⑤「研究してみた反省点=研究限界」に分けて記述しましょう。
・①「結果のまとめ」:多くの研究ではいろいろな検査や調査を行うため、たくさんのデータがいきかってます。それを短くまとめた内容をまず記載します。
・②次に「先行文献と一致したところ」を記載しましょう。同じテーマでの先行文献と一致した部分を書きます。ただ、それだけで終わりにせず、例えば「先行研究Aと一致した。つまり○○を意味している。」というような意味付けもして下さい。
・③一方で「先行文献」と一致しない点はないでしょうか。僕の専門分野であるリハビリテーション研究では研究によって結論が違う場合が結構あります。例えば「先行研究Bと一致しなかった。このことは●●を意味している」と、②と同じ構造で書くとよいでしょう。
・④以上を受けて、「あなたの研究の新しさ」を書いてください。例えば「本研究ではこれまで十分に検討されていなかった〇〇について検討した。」と書き、続けて「〇〇を検討したことによって、(何かより大きなテーマ」を解決していく手助けとなった)というように書くと良いでしょう。
・⑤「研究してみた反省点=研究限界」を書きます。「結果にきっと影響しているが、今回の研究ではどうしても除外できなかった反省点」を書いてください。例えば、対象者数や地域の偏りなど、これは研究によって異なります。
■2 論文チェックリストです。1つ1つ確認して書いてみましょう。
以上のテンプレートをよりまとめたチェックリストを添付します。
「こちら」です。
ワード1枚程度です。これを見ながら論文を書くことで、構造化された読みやすい論文が書けるはずです。少なくとも初心者の方にはこれで十分なはずです!
本日は以上となります。
これからも有益な記事を書いていきます。よろしくお願いします。